頭痛センターのご案内
困る頭痛をなんとかしましょう!
担当:貞本
日本頭痛学会認定 指導医・専門医
国際頭痛学会認定 Headache master
頭痛はほとんどの方が一度は経験する、ありふれた病気の一つですが、小学生から働き盛りの方に多く、仕事や日常生活への影響が大きい特徴があります。
頭痛がひどいために、仕事や勉強を休まざるを得ない方も大勢いますが、残念ながらあるアンケートでは、およそ10%の人が頭痛で仕事を休むことに対し、「社会人としての自覚が足りない」、「何とかして仕事をして欲しい」と回答するなど、頭痛に対する理解が十分ではないのが現状です。
特に強い頭痛を出す、片頭痛や群発頭痛に対しては、近年専用薬が開発され、早く確実に頭痛を止めることが出来るようになりました。また各種予防薬も使われています。
当科ではまず頭痛を治療し、生活の質を向上すること目的として診療を行っています。
頭痛持ちだから、生理からだから、肩こりからだからとあきらめずに受診して下さい。
~コンテンツ~
・頭痛の種類
・片頭頭痛
・緊張型頭痛
・群発頭痛
・神経痛
・頭痛の診察
・頭痛の治療
・診察時間
頭痛の種類
一次性頭痛:他に原因が無く、頭痛そのものが病気
•片頭痛
•緊張型頭痛
•群発頭痛
•神経痛
•など
二次性頭痛:何らかの病気が原因となる頭痛
•くも膜下出血などの脳血管障害
•脳腫瘍
•頭部外傷
•髄膜炎などの感染症
•緑内障など眼の病気
•副鼻腔炎など鼻の病気
•など
片頭痛
・頭痛がひどくなると胸がむかむかする、吐くことがある
・頭痛がしている間は光、音やにおいが気になる
・歩いたり、階段を上ると頭痛がひどくなる、横になり休みたい
このような頭痛は片頭痛かもしれません。
若いお母さんに多い片頭痛
国勢調査を基にした疫学調査では、片頭痛の有病率は約8.4%で、男性の約4倍と女性に多く見られます。特に30代女性では5人に一人と高率です。女性に多い原因としてホルモンの関係が考えられています。
そのため、女性では初潮の頃、就職した頃、出産後から片頭痛が始まるケースが多いのです。
頭痛の前に、首や肩がこることが多いため、肩こりからの頭痛と考える方が多く、女性では月経時に現れることもあるため、頭痛も生理痛の一種と考える方もいます。
もちろん生理痛は主に下腹部痛で、生理開始日頃と排卵日頃に出現する頭痛は月経関連片頭痛の可能性があります。特に強い頭痛を生じ、鎮痛剤が効きにくいことが特徴です。
片頭痛とは
片頭痛は、肩こり、生あくびなどの前触れの後、主に頭の片側がずきずきする病気です。
頭痛は1ヶ月から1週間に1、2回出現し、1回の頭痛は4時間から72時間程続きます。
頭痛と共に吐き気が出現することが多く、体を動かすと痛みがひどくなります。光、音やにおいに過敏になることも大きな特徴です。
中には、頭痛の前に目の前がぎらぎらしたり、逆にぼやけて見えにくくなる方もいます。
片頭痛の原因として、頭の血管が何らかの原因で異常に収縮し、その反動で異常に血管が拡張した際に、血管の周りにある痛みの神経が刺激され、頭痛が起こると考えられています。
また、家族性が多いことも特徴で、片頭痛のお母さんでは、約70%のお子さんに同じく片頭痛が見られます。
片頭痛患者さんの約70%は症状のため、仕事や日常生活に支障をきたしていると言われます。
片頭痛の治療
片頭痛は10歳代から始まり、60歳代くらいまで継続しますので、痛みの発作を少なく、軽くすることが大切です。
つい最近まで片頭痛に効く薬はなかなかありませんでしたが、2000年から片頭痛特効薬のトリプタン製剤が我が国でも認可され、注射薬、点鼻薬、内服薬など色々な投与法で使えるようになりました。
緊張型頭痛
肩こりに関係する緊張型頭痛
緊張型頭痛は、頭から首・肩にかけて付いている筋肉やすじが、硬く緊張することで出る頭痛です。殆どの方が生涯に一度は経験し、後頭部から首にかけ頭全体が、はちまきで締め付けられるように痛みます。何となく痛みが始まり数時間から数日続きます。
日常生活に支障が出ることは余りないのですが、中にはめまい、眼の疲れやけだるさが出たり、数ヶ月の間、頭痛が続いたりします。
緊張型頭痛の治療
症状がひどい場合には筋肉を柔らかくする内服薬や消炎鎮痛剤を内服します。長い目で見ると、腕立て伏せで首や肩の筋肉をつけることや、姿勢を正しくし首や肩の筋肉に負担がかからないようにすることが大切です。
群発頭痛
若い男性に多い群発頭痛
群発頭痛は最も激しい頭痛を起こす病気の代表ですが、およそ1万人に一人と稀です。
睡眠中などに、眼の奥に激しくキリを差し込まれるような、片側だけの頭痛が短時間出現します。流涙や鼻汁と共に、不穏・興奮を伴うのが特徴です。
群発頭痛の治療
頭痛が比較的短時間で軽快するため、即効性のあるスマトリプタンの皮下注射以外、効果的な治療法がありません。医療機関でないと注射を受けることが出来なかったのですが、最近スマトリプタンの自己注射キットが開発され、ご自宅でも治療が出来るようになりました。
神経痛
三叉神経痛
顔の感覚を司る、三叉神経が原因となる痛みです。顔の半分、特に頬のあたりに刺されるような痛みが出ます。ひどい場合には風が当たっても痛みが出ます。
大後頭神経痛
頭と頸の付け根から出て、頭の皮膚の感覚を司る神経を大後頭神経といいます。この神経の調子が悪くなり出る頭痛です。髪の毛が生える範囲で、頭の片側にチクチクと刺されるような痛みが出ます。ひどいと髪の毛を触るだけでも痛みが出ます。
診察
痛みは他人に分かりにくく、頭痛がどのように出ているかなど、詳しい問診が必要です。なかには命に関わる頭痛の場合もあり、必要に応じて頭部CTやMRIを用いた画像診断、血液検査、脳波検査などを行います。
治療
まず頭痛を止めることを中心に、外来での治療を行います。
脳動脈瘤、脳動脈奇形、脳腫瘍など高度の脳神経外科的手術を必要とする場合、愛媛大学付属病院脳神経外科との病病連携により対応しています。
診察時間
担当医:貞本
午前
月曜日から土曜日まで:午前9時から
午後
火曜日、金曜日:午後2時から