顔面神経麻痺
いろいろな原因で顔を動かす神経(顔面神経)が麻痺します。原因により治療方法もすこしずつ異なります。
症状
- 顔の片側が動かしにくい(口角が下がる、笑顔がゆがむ)
- 目が閉じにくい、まばたきがしにくい
- 口から水が漏れる
- 涙やよだれが出やすい/逆に少なくなる
- 味覚の異常や耳の後ろの痛みを伴うこともある
原因
顔面神経麻痺にはいくつかの原因があります。
- ベル麻痺:特発性顔面神経麻痺とも呼ばれていた、もっとも多いタイプです。多くは単純ヘルペスウイルスが原因と考えられています。
- ハント症候群:水痘帯状疱疹ウイルスによるもので、耳の痛みや水ぶくれを伴い、難聴やめまいも引き起こします。
- 真珠腫性中耳炎や頭部外傷(側頭骨骨折)、腫瘍などが原因で起こることもあります。
治療
- 副腎皮質ステロイド薬や抗ウイルス薬を用いる(早期治療が効果的)
- 顔のマッサージで回復を助ける
- 目が閉じにくい場合は、点眼薬や保護を行うことで角膜を守る
- 神経の障害が大きい場合は手術(顔面神経減荷術)が必要になることもある
顔面神経麻痺は「自然に治ることもある」一方で、重症例では、治療が遅れると回復が難しくなることがあります。多くの場合は数週間〜数か月で回復しますが、後遺症として麻痺が残こったり、顔がピクピクしたりする(顔面けいれん)ことがあります。発症から早期の治療が大切です。