頭痛、手足のまひやしびれ、めまいなどの症状の診断と治療、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)の診断・治療ならびに予防、頭部の外傷、脳腫瘍、さらには、脳卒中や頭部外傷後の後遺症の治療、機能的脳神経疾患(顔面けいれん、三叉神経痛など)、認知症(軽度認知機能障害など)、頸椎や腰椎などの脊椎・脊髄の疾患の診断、理学的治療(リハビリテーション)などの脳神経外科領域の診療に対応しています。
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脳神経外科
急性期からリハビリまで、脳神経外科領域をトータルサポート
主な症例・病気
- 脳卒中(脳血管障害)
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳動静脈奇形
症状のない頚部頚動脈狭窄症・脳内動脈狭窄症や未破裂脳動脈瘤
- 頭部外傷
頭蓋骨骨折、急性硬膜外血種、急性・慢性硬膜下血種、脳挫傷
- 脳腫瘍
良性腫瘍:髄膜種、神経鞘腫(聴神経腫瘍など)
悪性腫瘍:神経膠腫(グリオーマ)、転移性脳腫瘍
- 機能的脳神経疾患
顔面けいれん、三叉神経痛
- 脊椎疾患
椎椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、脊柱管狭窄症
- 認知症
軽度認知機能障害(MCI)~軽度認知症
- 頭痛
片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛
主な検査内容
- 画像診断
単純レントゲン撮影、CT、MRI、CTA(脳血管造影)
- 超音波検査
- 脳波検査
- 高次脳機能検査(認知機能検査を含む)
鷹の子病院では、2025年10月より、アルツハイマー病に対する新たな治療を開始するために、「軽度認知症外来」を開設いたしました。
アルツハイマー型認知症の原因と新しい治療
認知症の原因にはさまざまな原因がありますが、そのうち、最も多いのがアルツハイマー型認知症です。アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβ(ベータ)プラークというタンパク質が異常にたまり、その結果、脳の神経細胞が減り、認知機能や日常生活に支障をきたす病気です。この病気では、日常生活に支障がない「軽度認知障害(MCI)」から始まり、支障がある「認知症」までに数年かかり、その後、徐々に進行が早まると考えられています。従来、認知症に対する薬はありましたが、2023年から認知症の前段階とされる「軽度認知障害(MCI)」から軽度の認知症の患者様に対して、抗アミロイドβ(ベータ)抗体薬という薬が投与できるようになりました。この薬は、脳に蓄積したアミロイドβ(ベータ)プラークを減少させ、認知層の進行をゆるやかにする薬です。
当院では、血液検査、画像検査(MRI)、認知機能検査を行い、アルツハイマー型認知症による軽度認知障害(MCI)~軽度認知症と診断し、アミロイドPET(他院)にてプラークの蓄積が確認できた患者様に対して、抗アミロイドβ(ベータ)抗体薬(ケサンラ(ドカネマブ))の投与を行います。
治療の対象
「アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)または軽度認知症」の方が対象となります。
治療方法
治療には、アミロイドβに対する抗体薬2種類のうち、「ケサンラ(ドナネマブ)」を使用します。
この治療は、病気の進行を緩やかにすることが期待されており、早期の診断と治療が重要です。
診察の流れ
1.問診、診察
問診票に記入をいただき、症状やその頻度、発生する状況などについて詳しい問診を行なうとともに、診察をします。また、ご家族からも詳しいお話を聞くことがありますので、できましたら、ご家族も一緒にご来院ください。
2.血液検査
診察日と同じ日に、血液検査を行います。血液検査の内容としては、通常の血液検査(肝機能、腎機能など)に加えて、動脈硬化症に関連する脂質、糖尿病の検査、認知機能に関連する甲状腺、ビタミン、亜鉛などの検査です。
3.MRI
頭部MRIと頭・頚部MR血管撮影(MRA)を行います。さらに、解析ソフト(VS-RAD)を用いて、アルツハイマー型認知症の特徴とされる側頭葉内側部の萎縮度も判定します。
4.認知機能検査
何種類かの認知機能検査を行います。認知機能検査では、見当識、認知機能、記憶力、計算力、実行機能などの機能がわかります。
5.結果説明
問診・診察、血液検査、MRI、認知機能検査などの結果を総合的に評価し、認知機能低下の程度や原因についてお話します。この時点で認知機能低下の程度が「軽度認知障害(MCI)または軽度認知症」で、アルツハイマー病が疑われた方のうち、アミロイドβに対する抗体薬の投与を希望された方のみが、次の検査を行います。
6.アミロイドPET
他院(愛媛県立中央病院など)でアミロイドPETを行い、アミロイドβプラークの蓄積の有無を調べます。
7.アミロイドβに対する抗体薬(ケサンラ(ドナネマブ))の投与
アミロイドPETを行い、アミロイドβプラークの蓄積が確認された方に対して、アミロイドβに対する抗体薬を4週間に1回点滴し、1年から1年半継続します。
※3以降の検査等は、初診日とは別の日になります
頭痛はほとんどの方が一度は経験する、ありふれた病気の一つですが、小学生から働き盛りの方に多く、仕事や日常生活への影響が大きい特徴があります。当センターではまず頭痛を治療し、生活の質を向上すること目的として診療を行っています。
頭痛の種類
<一次性頭痛>他に原因が無く、頭痛そのものが病気
片頭痛は、肩こり、生あくびなどの前触れの後、主に頭の片側がずきずきする病気です。頭痛は1ヶ月から1週間に1、2回出現し、1回の頭痛は4時間から72時間程続きます。頭痛と共に吐き気が出現することが多く、体を動かすと痛みがひどくなります。光、音やにおいに過敏になることも大きな特徴です。中には、頭痛の前に目の前がぎらぎらしたり、逆にぼやけて見えにくくなる方もいます。
片頭痛の原因として、頭の血管が何らかの原因で異常に収縮し、その反動で異常に血管が拡張した際に、血管の周りにある痛みの神経が刺激され、頭痛が起こると考えられています。また、家族性が多いことも特徴で、片頭痛のお母さんでは、約70%のお子さんに同じく片頭痛が見られます。
片頭痛は10歳代から始まり、60歳代くらいまで継続しますので、痛みの発作を少なく、軽くすることが大切です。2000年から片頭痛特効薬のトリプタン製剤が我が国でも認可され、注射薬、点鼻薬、内服薬など色々な投与法で使えるようになりました。
緊張型頭痛は、頭から首・肩にかけて付いている筋肉やすじが、硬く緊張することで出る頭痛です。殆どの方が生涯に一度は経験し、後頭部から首にかけ頭全体が、はちまきで締め付けられるように痛みます。何となく痛みが始まり数時間から数日続きます。
日常生活に支障が出ることは余りないのですが、中にはめまい、眼の疲れやけだるさが出たり、数ヶ月の間、頭痛が続いたりします。
症状がひどい場合には筋肉を柔らかくする内服薬や消炎鎮痛剤を内服します。長い目で見ると、腕立て伏せで首や肩の筋肉をつけることや、姿勢を正しくし首や肩の筋肉に負担がかからないようにすることが大切です。
群発頭痛は最も激しい頭痛を起こす病気の代表ですが、およそ1万人に一人と稀です。睡眠中などに、眼の奥に激しくキリを差し込まれるような、片側だけの頭痛が短時間出現します。流涙や鼻汁と共に、不穏・興奮を伴うのが特徴です。
三叉神経痛
顔の感覚を司る、三叉神経が原因となる痛みです。顔の半分、特に頬のあたりに刺されるような痛みが出ます。ひどい場合には風が当たっても痛みが出ます。
大後頭神経痛
頭と頸の付け根から出て、頭の皮膚の感覚を司る神経を大後頭神経といいます。この神経の調子が悪くなり出る頭痛です。髪の毛が生える範囲で、頭の片側にチクチクと刺されるような痛みが出ます。ひどいと髪の毛を触るだけでも痛みが出ます。
<二次性頭痛>何らかの病気が原因となる頭痛
- くも膜下出血などの脳血管障害
- 脳腫瘍
- 頭部外傷
- 髄膜炎などの感染症
- 緑内障など眼の病気
- 副鼻腔炎など鼻の病気
頭痛の診察
痛みは他人に分かりにくく、頭痛がどのように出ているかなど、詳しい問診が必要です。
なかには命に関わる頭痛の場合もあり、必要に応じて頭部CTやMRIを用いた画像診断、血液検査、脳波検査などを行います。
頭痛の治療
頭痛の治療には痛みを抑える「急性期治療」と、頭痛の発生頻度や強度を減らす「予防療法」の2種類があり、「急性期治療」は頭痛が起こった時にその痛みを速やかに和らげる治療法で、「予防療法」は頭痛の発生頻度や強度を減らす治療法です。必要に応じて、急性期治療と予防療法を組み合わせて使うことで、より効果的な頭痛管理が可能です。
脳動脈瘤、脳動脈奇形、脳腫瘍など高度の脳神経外科的手術を必要とする場合、愛媛大学付属病院脳神経外科との病病連携により対応しています。
頭痛の原因は様々で、治療期間や薬の選択も一人ひとり異なります。ご自身の頭痛のタイプに合った治療を受けるためにもぜひ一度外来での診察をお勧めします。
医師
寺岡 幹夫
経歴:愛媛大学医学部を卒業後、愛媛県立中央病院、愛媛大学付属病院で研修し、その後愛媛大学付属病院で診療に従事。平成23年より鷹の子病院に勤務。
資格:日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
医師
大上 史朗
経歴:愛媛大学医学部医学科卒業後、愛媛大学付属病院にて初期臨床研究を終了。貞本病院・鷹の子病院に4.5年間、愛媛大学脳神経外科にて22.5年間、愛媛県立中央病院脳卒中センター脳神経外科に9年間勤務し、脳腫瘍、脳卒中などを中心とした脳神経外科診療に従事。
資格・所属学会:・日本脳神経外科学会専門医、指導医・日本脳卒中学会専門医、指導医・日本脳卒中の外科学会技術指導医・日本神経内視鏡学会技術認定医・日本がん治療認定医・日本脳神経外科認知症学会認定医・日本体育協会公認スポーツドクター・日本医師会認定健康スポーツ医・日本脳神経外科学会会員・日本脳神経外科学会コングレス会員・日本脳腫瘍学会会員・日本脳腫瘍の外科学会会員・日本頭蓋底外科学会会員・理事・日本脳卒中学会会員・日本脳卒中の外科学会会員・日本脳循環代謝学会会員・スパズム・シンポジウム会員・日本脳神経CI学会会員・脳神経外科手術と機器学会会員・日本神経内視鏡学会会員・日本脳神経外科光線療法学会会員・日本脳神経外科認知症学会会員、等
医師
貞本 泰孝
経歴:平成6年 杏林大学医学部卒 愛媛大学医学部附属病院脳神経外科入局、平成12年 愛媛大学大学院医学系研究科卒、平成17年 聖光会鷹の子病院脳神経外科勤務、頭痛診療に従事。
資格・所属学会:日本頭痛学会認定 専門医・指導医、代議員 日本脳神経外科学会認定専門医、国際頭痛学会認定 Headache master、American Headache Society
日本脳卒中学会・日本神経治療学会・日本睡眠学会・日本小児心身医学会